いったい、こいつとどれほどの時を過ごしたのだろう。

そう思い返させるくらい、長い付き合いだ。

NIXON THE CAPITAL。

まだKAZUKINが若かりし頃、こいつは仕事用の時計としてほぼ毎日のように腕に巻かれていた。

朝から晩まで。

暑い日も寒い日も。

仕事がうまくいった日も、いかなかった日も。

たぶん当時のKAZUKINより、この時計のほうが時間には正確だった。

まあ、時計だから当然なのだが。

うす〜く、曇っている

現在も通常使用にはまったく問題ない。

電池を入れれば動く。

時を刻む。

見た目も、まあ……年季は入っている。

いや、かなり入っている。

ガラスには無数の傷。

ケースにも傷。

ブレスにも傷。

もはや「使用感」という便利な言葉では収まりきらない気もするが、長年使った時計というのは、それでいい。

ただ、ひとつだけ気になることがある。

ガラスの内側が、うす〜く曇っているのだ。

本当に薄く・・。

時計を見るのに支障はない。

普通に時間も読める。

他人が見ても、おそらく気づかない。

でも持ち主には分かる。

……曇ってるよね?

この「気にならないレベル」が、逆にもどかしい。

ガッツリ曇ってくれれば修理を決断できる。

まったく曇っていなければ忘れられる。

しかし、こいつは絶妙なのだ。

うす〜く曇る。

存在感まで控えめな湿気である。

KAZUKIN、ついに動く

そこでKAZUKIN、ついに動く。

裏ぶたを開け、ムーブメントを確認。

リューズを抜いたNIXON THE CAPITAL。抜いたリューズがムーブメントの上に置かれている
裏ぶたを開けてリューズを抜く。抜くのもコツというか、ロック解除の押すポイントがあるのに苦労した。

「これ、リューズ抜けば分解できるんじゃね?」

長年の経験などない。

時計修理の知識もない。

あるのは、

根拠のない自信だけである。

さらに奥まで分解できないか探る。

内部を眺める。

あれこれ触る。

そして気づく。

……これ以上やったら壊すな。

撤退。

実に賢明な判断である。

というより、単に怖くなっただけだ。

裏ぶたを開けたNIXON THE CAPITAL。ムーブメントとボタン電池が見えている
分解はここまでが限界だった・・

どうもこのTHE CAPITAL、KAZUKINの素人分解レベルでは簡単にガラスの内側へアクセスできる構造ではなさそうだ。

こうして「ガラス内側を拭く作戦」は、開始早々あえなく終了した。

100m防水 vs KAZUKINの汗

裏ぶたには誇らしげに刻まれている。

100M

そう。

スペック上は100m防水である。

かなり頼もしい。

雨。

水しぶき。

日常の水濡れ。

本来なら、そう簡単に湿気が入り込む時計ではないはずだ。

しかし、この時計には長年にわたり、ある特殊な環境負荷がかかり続けていた。

KAZUKINの汗である。

しかも普通の汗ではない。

夏場のKAZUKINは、腕時計の周辺が常にびしょびしょになる。

汗というより、

局地的豪雨。

いや、

手首だけ梅雨前線。

100m防水を誇るTHE CAPITALも、まさか設計段階で、

「毎日、長期間にわたり、KAZUKINの滝汗を浴び続ける」

という耐久試験までは想定していなかっただろう。

NIXON vs KAZUKINの汗。

長きにわたる戦いの末、ついにごくわずかな湿気が侵入したのではないか。

KAZUKINはそう推測している。

それでも、まだ現役

それでも、こいつはまだ動く。

ガラスの内側は、うす〜く曇っている。

外装は傷だらけ。

ブレスにも長年の使用感。

それでも時間を刻んでいる。

若い頃、毎日のように仕事へ連れていった時計。

気づけばKAZUKINも歳を取り、時計も歳を取った。

新品の時計にはない何かが、こいつにはある。

たぶん思い出だ。

そして湿気だ。

100m防水。

ただし、

KAZUKINの滝汗には、長期保証なし。

それでもまだ、現役続投中である。

KAZUKIN

NIXONいいよね

俺式評価

  • 💦 100M防水(対KAZUKINの滝汗) ★★★☆☆
  • 🌫️ うす〜い曇りのもどかしさ ★★★★★
  • 🔍 分解チャレンジの決断力 ★★★★☆
  • 📅 長年の使用感(傷だらけ) ★★★★★
  • 😐 「気にならないレベル」の絶妙さ ★★★★★

※本記事は個人の感想・記録です。NIXONさんとは何の関係もありません。ただのNIXON好きです。分解は自己責任で行っています。商標は各権利者に帰属します。

※イラストはKAZUKINの体験をもとにしたイメージです。実際の店舗や商品とは異なる場合があります。メーカー公式画像ではありません。