プロローグ:2018年、あの日
2018年11月19日。カルロス・ゴーン氏、逮捕。
ニュース速報を見て、俺は何を思ったか。
「これは買いだ」
……今思えば、この一言がすべての始まりだった。
株価が急落した日産株を見て、俺の中の"逆張り投資家"が目を覚ましてしまったのだ。「一時的なショックだろう」「日産はそう簡単に沈まない」「むしろ今が仕込み時」——脳内の謎の自信が、証券口座の「買い」ボタンを押させた。・・当時は若かった。
あの日の俺に伝えたいことがあるとすれば、ただ一言。
やめとけ。
第一章:塩漬けの始まり
買った直後は、そこそこ耐えた。「まあ、こういう時期もあるよね」と、含み損を眺めながら謎の余裕を装っていた。
しかし株価は、俺の期待などお構いなしに、じわじわと、そして時々ガクンと下がり続けた。
気づけば、証券口座の中で日産株は見事に塩漬け——いや、もはや塩漬けを通り越して、梅干しくらいまで水分が抜けている状態になっていた。
含み損を見ないようにアプリを開かなくなる。これも投資あるあるらしい。俺だけじゃないと信じたい。
第二章:ゴーンは逃げた
2019年12月、衝撃のニュースが飛び込んできた。
ゴーン氏、レバノンへ逃亡。しかも噂では楽器ケースに隠れて空港を突破したとか。
正直、あの瞬間の俺の感情は複雑だった。
「すごい行動力だな」という謎の感心と、「え、ちょっと待って、逃げるのはあなただけ?」という取り残された感の両方が押し寄せてきたのだ。
ゴーン氏は国境を越え、法の手を逃れ、自由の身になった。
一方、俺の日産株は、いまだに証券口座という名の"檻"の中で、じっとりと含み損を抱えたまま静かに佇んでいる。
経営者は逃げられても、株主は逃げられない。
これが資本主義の非情な現実らしい。
第三章:なぜ売れないのか
「損切りすればいいじゃん」
はい、正論です。何百回も自分に言い聞かせました。
でも人間、いざ「売却」ボタンを前にすると、指が固まるものなんです。理由を並べてみると、こんな感じ。
- もったいない病:ここまで我慢したのに今売ったら今までの含み損の期間が無駄になる気がする
- 根拠なき希望:「EVシフトで日産また来るかも」と謎の期待をし続けている
- 塩漬け慣れ:もはや含み損があるのが日常になり、危機感が麻痺している
- 見て見ぬふり:株価アプリの日産の欄だけ、目に入らないようにスクロールする技術が身についた
これ、心理学的には「サンクコスト効果」というやつらしい。名前がついているということは、俺だけじゃなく人類共通の弱点ということだ。ちょっと安心する。ちょっとだけ。
第四章:今、俺たちは
ゴーン氏は今もレバノンで、逮捕リスクと引き換えに自由を謳歌しているらしい。
俺は今も、含み損という名の重りを引きずりながら、証券口座を開くたびに小さくため息をついている。
不思議なもので、憎めない。日産という会社にも、この株にも。むしろ愛着すら湧いてきている自分がいる。これはもう共依存なのかもしれない。
やっぱり下がるのね・・
エピローグ:教訓、あるとすれば
もしこの記事から何か学べることがあるとすれば、それはただ一つ。
「落ちてくるナイフはつかむな」(有名相場格言)
そしてもう一つ。
経営者が国境を越えて逃げられる時代でも、株主は損切りという名の"帰国"すらできないことがある。
ゴーンさん、もし読んでいたら一言だけ言わせてください。
「あなたは箱から出られましたね。俺はいまだに、この含み損という箱の中です」
俺式評価
- 🚗 逆張りタイミングの読み ★★☆☆☆(やめとけ案件)
- 🧂 塩漬け度(梅干しレベル) ★★★★★
- 🛫 ゴーン氏の行動力への謎の感心 ★★★★☆
- 🖱️ 「売却」ボタンを押せない力 ★★★★★
- 😂 自虐エッセイとしての完成度 ★★★★★
※本記事は個人の投資体験に基づく自虐エッセイであり、投資助言ではありません。記事中の株価や含み損の状況は記事投稿時点のものです。日産株の今後を保証するものでは一切ありません(そもそも保証できていたら苦労してません)。商標は各権利者に帰属します。
※記事中の実在の人物・企業に関する記述は、広く報道された事実をもとにしたKAZUKIN個人の感想です。日産自動車さんとは何の関係もありません。
※イラストはKAZUKINの体験をもとにしたイメージです。実際の店舗や商品とは異なる場合があります。メーカー公式画像ではありません。